令和元年度は降雨環境が降雨と風を伴う中性温環境(22℃)が走運動時のヒトのエネルギー代謝・体温に及ぼす影響目的とし、実験を遂行した。実験時の測定項目は直腸温・皮膚温・温熱感覚・酸素摂取量・呼吸交換比、心拍数・主観的運動強度・血中乳酸濃度・血漿ノルエピネフリン濃度、血漿エピネフリン濃度、血中遊離脂肪酸濃度、血中中性脂肪濃度とした。その結果、一般的に中性温環下の運動は体温に及ぼす生理的影響が軽微であることが考えられるが、降雨と風が加わることで運動開始初期に一時的な体温低下、血中乳酸濃度、血漿ノルエピネフリン濃度の上昇が確認された。このことから中性温環境下の運動であっても、風を伴う雨天時では十分な寒冷対策をとる必要が示された。得られたデータは26th annual Congress of the EUROPEAN COLLEGE OF SPORT SCIENCE及び、日本体育学会第71回大会にて研究発表を行う予定である。 また、日本体育学会第70回大会にて「降雨が中強度走運動中のヒトの体温・エネルギー代謝に及ぼす影響」、さらに24th annual Congress of the EUROPEAN COLLEGE OF SPORT SCIENCEにて「Effect of rain on thermal responses and energy metabolism while running at moderately high intensity in a cool condition」の研究発表を行った。複数の研究者、スポーツ指導者から質問を受け、有益な意見交換を行うことが出来た。
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