本研究では麻酔下ラットを対象に,13C-グルコースを用いて,運動時の糖代謝動態を評価する方法論の開発に取り組んだ.麻酔下ラットを用いて,両坐骨神経遠心路への通電刺激を行い,下肢骨格筋の収縮を誘発することで運動を模擬した.運動開始5分後に13C-グルコース液を頸動脈より投与し,13C-グルコースの代謝動態を観察した.その結果,低強度および高強度運動ともに,13C-グルコース液投与後,速やかに13C-グルコースの代謝が亢進し,13C-グルコースの代謝量は高強度運動が低強度運動に比べて,有意に高値を示した.すなわち,13C-グルコースを用いて,麻酔下小動物の運動時糖代謝動態を評価することに成功した.
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