研究課題
若手研究(B)
本研究では、上肢のみで泳ぐプル泳トレーニングにおいて泳ぎのテンポ(ストロークレート)をコントロールした際の運動強度や泳技術への影響を検討した。その結果、ストロークレートに基づいて強度を設定をすると、中強度から高強度へ移行する閾値が泳速度によって設定した場合よりも約4%高いことが明らかになった。また、ストロークレートをコントロールしたインターバルトレーニングでは、序盤以降に泳技術が安定することが明らかになった。
トレーニング生理学
競泳選手において、クロールを泳ぐ際の推進力のほとんどは上肢によって獲得され、泳ぐ距離が長いほど上肢の貢献率が高くなる。このため、特に長距離泳者ではプル泳が重要であると認識されているものの、プル泳の研究は数少ないのが現状であった。こうした点では、プル泳においてストロークレートを用いることで泳技術を安定させたトレーニングができるという点では従来のトレーニングよりも有効である可能性があり、競泳の指導現場に対してプル泳の新たなトレーニング法を提示できると考えられた。