研究課題/領域番号 |
17K13207
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
加藤 士雄 北海道科学大学, 保健医療学部, 講師 (40760260)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | スマートヘルス / IoT / 9軸センサ / 動作分析 |
研究実績の概要 |
近年,様々なモノをインターネットに繋げる「IoT(Internet of Things)」を用いた商品開発や学術的研究が数多く行われている.本研究課題はヒトの動作を経時的に計測し,インターネットを介して理学療法士が動作を分析し,動作に関する指導を行うことができる新たなスマートヘルスシステムの開発を目的とした. 2016年度は9軸センサを用いて動作計測を行い,得られた角度データから動作分析を行うことが可能か検証した.対象とした動作は,健常成人10名に対して外乱を加えた際の姿勢反応とした.臨床経験7-8年の理学療法士2名と理学療法学科4年生3名に得られた角度データを元に,実際に行われている動作を分析してもらった.今回の検証では3つの9軸センサを用い,体幹・骨盤・大腿の角度を計測した.結果として,臨床での経験を有している場合のほうが,全体像を把握した動作分析が可能であった.学生の場合,計測部位の運動については表現することができていたが,各部位の運動のつながりを捉えることができていないことが多かった.一方で,両群から角度データのみでは全ての角度を把握した上で,脳内で対象者の運動を再構成するプロセスが必要であるため,運動中の動作を映像やCG(Computer Graphics)を用いて表示したほうが実用性は高いという意見が得られた. 当初の計画では,年度中に歩行動作の解析・CGを用いた分析を行う予定であったが,2016年度は歩行動作の計測と歩行中の足部運動についてCGで表現する段階までにとどまった. 2017年度は対象者の動作をCGにより再現すること,およびインターネット上に蓄積したデータを用いて,遠方からCGによる動作分析が可能なシステムの開発までを行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該研究以外の職務に新たなものが加わり,本研究課題に十分なエフォートを充てることができなかったためである.また,予定していた機材の購入について業者の発注ミスなどがあり,2017年度に機材を購入できなかったことも要因としてあげられる.一方で,今年度は静的な動作に対しても,角度データだけの動作分析よりもCGを用いた動作分析のほうが実用性は高いということを検証することができたため,作成するシステムの実用性が高いことが考えられた.
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は,全身の動作を計測可能で,かつCGにより動作を表現できるシステムを作成する.具体的には9軸センサを用いた簡易なモーションキャプチャシステムを利用し,CGを用いて動作を再現することを予定している.また,匿名性を保持した上でクラウド上にデータを蓄積したデータを用いてCGによる動作表現が可能なようにしていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度に予定していた機材の購入が,業者の発注ミスおよび製造企業での型番の切り替えなど複数の要因があり,購入できなかったことがあげられる.今年度は予定していた機材の最新版を早急に発注し,システムの構築にあたる.また,学会発表・論文発表を行い,予算を執行する予定である.
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