研究課題/領域番号 |
17K13215
|
研究機関 | 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 |
研究代表者 |
池田 大樹 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 人間工学研究グループ, 研究員 (20636782)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 勤務間インターバル / 労働衛生 / 生活習慣 |
研究実績の概要 |
本年度は、勤務間インターバルの規則性の変化が生活習慣の規則性やメンタルヘルス等に及ぼす影響を縦断調査研究により検討した。昨年度実施した勤務間インターバルの調査を、12か月後に同対象に実施した。具体的には、情報通信業の日勤・正社員労働者に対し(n=98)、事前調査(スクリーニング)、連続14日間の本調査、事後調査を実施した。本調査の調査項目として、生活習慣の規則性尺度(SRM-5)、勤務開始・終了時刻(勤務間インターバルの時間及び中央値を算出)、就床・起床時刻(睡眠時間等を算出)、睡眠の質、疲労感等を設けた。事後調査では、睡眠の量・質等に関する調査票(ピッツバーグ睡眠質問票、ミュンヘンクロノタイプ質問紙)やストレス・メンタルヘルスに関する調査票(職業性ストレス簡易調査、K6)、健康問題による労働機能障害の程度を測定するWork Functioning Impairment Scale(WFun)等を用いた。勤務間インターバルの規則性は、昨年度の調査と同様、本調査期間(14日間)における勤務間インターバルの中央値に対し、SRM-5の基準を一部変更して算出した。1年目と2年目の調査におけるこの規則性の変化量から、参加者を不変群、改善群、悪化群に分類した。群×調査回の2要因分散分析の結果、SRM-5得点やWFun得点に群の主効果が見られた。下位検定の結果、不変群と比べて、悪化群は、生活習慣が不規則であり、労働機能障害の程度も悪いことが示された(all p<.05)。以上のことから、勤務間インターバルが不規則になると、生活習慣や労働機能等に悪影響が生じる可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は予定通り縦断調査(2回目)を実施し、情報通信業の業種を対象とした日勤労働者の勤務間インターバルの規則性の変化による影響を検討することができた。一方、成果報告(学会発表・論文投稿)ができなかったため、「やや遅れている」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度、得られた成果を学会発表するとともに、原著論文を執筆し、国際誌に投稿する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度において、調査の実施は終了したが、その成果報告(学会発表、論文投稿)ができなかった。この成果報告のための費用を次年度使用し、学会発表、論文投稿を行う。
|