研究課題/領域番号 |
17K13218
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
根本 みゆき 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (80754316)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 前頭側頭型認知症 / 運動療法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、運動療法が前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia: FTD)の行動異常に及ぼす効果とその機序を明らかにし、FTDに対する新たな治療法および支援策を構築することである。本目的を達成するために以下の3つの研究課題を設定した。課題1:介入内容決定のための予備検討、課題2:FTDに対する運動療法の効果①、課題3:FTDに対する運動療法の効果②。本年1年目では、課題1を遂行した。 【研究課題1】FTDに対する運動介入内容決定のための予備検討 FTDの診断基準に合致する、71.8±6.8歳(61-77歳)の男性4名を研究対象として、Pre測定を実施、また個別運動プログラムを作成し、現在介入中である。 Pre時の各心理検査の結果は下記の通りである。MMSE(mini mental state examination):21.5±6.5点(12-26点)、CDR(clinical dementia rating):0.5。個別介入プログラム:運動内容は、中強度持続性有酸素運動トレーニング(moderate intensity continuous training: MICT)を採用し、MICTプログラムへの適応、実行可能性を検討している。自転車エルゴメーターでの有酸素運動の至適時間の検討は、週毎に10分、20分、30分と漸増させて実施している。また、至適運動強度の検討は、カルボーネン法にて至適目標心拍数を算出し、Polar社製腕時計型心拍計にて心拍数を随時モニターしている。 MICTプログラムへは、どの被験者も概ね適応していると考える。運動時間に関しては、20分までは問題なく実施できているが、被験者によっては、30分の運動継続は難しい場合もある。引き続き運動様式、運動時間、強度をモニターしながら至適プロトコルの検討をしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題1~3のうち、本年は課題1を実施中である。データの収集は順調であるといえ、並行して、課題2の準備も進めている。これらの成果の一部を学会誌へ報告するなど、成果を残しているといえる。一方で、予定している例数に達していないため、引き続き被験者のリクルートと検討をおこなわなければならないといった課題もある。そのため、「②概ね順調に進展している。」との評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き、研究課題1:介入内容決定のための予備検討を進めていく。つまり、被験者のリクルート、予備検討の実施である。並行して、研究課題2:FTDに対する運動療法の準備も進める。また、学会発表、論文執筆も同時に進めていく予定である。
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