白内障は、水晶体中の蛋白質の構造に変化が生じ、秩序構造が乱れ、凝集が進み→異常凝集化→不溶化することに起因する加齢性疾患である。本研究では、LC-MS/MSにより酸化、脱アミド化、異性化の迅速解析を行い問題を解決した。不溶性画分への移行段階である高分子量(HMW)画分中のβ-Cryの正常な会合体を形成しているnative状態のβ-Cry中のAsp残基の異性化率を比較した結果、10~80代の加齢性白内障水晶体中のHMW画分にはβ-Cryが存在し、そのβ(βB1)画分中Asp212残基の異性化が促進していた。Asp残基の異性化と蛋白質の凝集、不溶化との関連が強く考えられる。
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