中高年期の全身持久力や筋力といった【体力】や、肥満などの【体格】が、疾病発症リスクと深く関連していることは多く報告されてきているが、青年期の体力や体格が、疾病発症予防に対して及ぼす長期的な効果については不明な部分が多く残されている。この点に関して、我々は、青年期の『全身持久力』が高いほど、その後の糖尿病発症が抑制されていること、『筋力』では糖尿病の発症リスクを抑制できていないことを疫学的な研究にて明らかにした(Someya et al.BMC Public health. 2014、Someya et al. J Phys Fitness Sports Med. 2017)。また、青年期の体格(BMI)が22㎏/m2;以上で、その後の糖尿病発症リスクが高まることを明らかにした(Someya et al. PLoS ONE. 2019)。しかしながら、青年期の他の体力要素や体格が、その後の疾病発症に及ぼす効果はいまだ不明である。本研究においては、青年期の柔軟性や筋持久力、体格と糖尿病発症リスクとの関連を明らかにし、今後の予防医学において、青年期や若年期といった早期からの疾病予防に対する効果的な運動を提唱することを目指す。 本年度では、全同窓生1万人を対象とした追跡調査を実施し、データベースの拡充を行った、また、青年期の体格・体力、中高年期の体格・運動習慣などを組み合わせ、その後の疾患発症との関連を明らかにする解析を進めている。
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