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2017 年度 実施状況報告書

アトピー性皮膚炎の症状改善に対する運動効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K13232
研究機関早稲田大学

研究代表者

枝 伸彦  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (50711181)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードアトピー性皮膚炎 / 身体活動量 / 運動 / TARC / 皮膚 / フィラグリン
研究実績の概要

本研究では、適度な運動習慣による皮膚バリア機能の向上およびアトピー性皮膚炎(AD)症状改善効果を明らかにすることを目的とする。運動によるAD病態の増悪の危険性に関する研究はほとんど行われていないため、まず健常成人を対象に運動によるAD病態関連因子の変動を検討した。対象者は、皮膚疾患を有さない健常成人男女6名とし、低強度運動としてヨガを60分間実施した。AD病態関連因子として血中のthymus and actication-regulated chemokine (TARC)をヨガ前後で測定した。その結果、血中のTARC値はヨガ前(212.4±83.7 pg/mL)とヨガ後(224.8±81.3 pg/mL)で有意な変動を示さなかった。次に、皮膚疾患を有さない健常成人男性8名を対象とし、高強度運動として75%VO2max負荷の自転車ペダリング運動を60分間実施した。その結果、血中のTARC値は、運動前(245.1±57.6 pg/mL)と比較して運動後(260.0±58.9 pg/mL)に増加傾向を示したが、個別データを確認しても極端な増加を示した者はいなかった。以上の結果から、健常成人の血中TARC値は、一過性の低強度運動では変化せず、高強度運動であっても極端な増加は示さないことが明らかになり、本研究で予定しているAD患者へのトレーニング介入の際の有益な情報となった。今後、AD患者の身体活動量とAD病態関連因子との関連性について検討していくために、皮膚科の医師と連携しながらAD患者のリクルートを実施している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

健常成人を用いて、AD病態関連因子である血中のTARCや皮膚のフィラグリンを測定する系を確立することができたが、対象者としてAD患者の募集が難航している。また、皮膚の角質水分量など季節や気候によって変動する指標があるため、対象者をまとめて測定する方法に苦慮している。

今後の研究の推進方策

AD患者の日常生活における身体活動量と皮膚バリア機能、AD病態関連因子の関係について横断的に研究するために、対象者募集を皮膚科の医師と連携して実施するなど、リクルートの方法を工夫する。横断研究の際に抽出された活動不足のAD患者を用いて、12週間の身体活動量の増加が皮膚バリア機能、AD病態関連因子に及ぼす影響を検討していく。

次年度使用額が生じた理由

AD患者のリクルートがうまくいかず、横断研究を次年度に延期したため、被験者謝金や解析用の予算を繰り越すこととした。次年度には、皮膚科の医師と連携してAD患者の横断研究と縦断研究を実施し、繰り越し分および次年度予算を使用する予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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