研究課題/領域番号 |
17K13233
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松下 宗洋 東海大学, 体育学部, 助教 (20758594)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 妊婦 / 身体活動 / 疫学 / コホート研究 / 早産 / 低出生体重児 / 妊娠高血圧症候群 / 妊娠糖尿病 |
研究実績の概要 |
日本人における妊娠中の身体活動・運動については、妊娠期の健康アウトカム(妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、遷移分娩など)に対する予防効果を示すエビデンスが不足している。そこで本研究では、妊娠中の身体活動・不活動と妊産婦特有の健康アウトカムとの関連を検討するための研究を計画した。本年度は、妊娠女性を対象としたコホート研究のベースライン時における身体活動状況の記述を行った。 本研究の解析対象者は、医療機関をベースとしたコホート研究の参加者315人のうち、調査項目に不正回答がない245人(平均年齢±標準偏差:32.1±4.66歳)であった。身体活動は世界標準化身体活動質問票(GPAQ)を用い、妊娠中期(20-24週)と妊娠前1ヶ月間の身体活動の調査を行った。 その結果、米国身体活動ガイドラインで推奨される週150分の中程度強度身体活動を実施する者は、妊娠前では46.9%であり、妊娠中期では24.5%であり有意に少なかった。また仕事、移動及び余暇場面別の中程度強度の身体活動量(分/週)について妊娠前後で比較すると、仕事場面では妊娠前298.8±42.6分/週、妊娠後144.2±30.0分/週、移動場面では妊娠前102.5±19.9分/週、妊娠後46.6±7.4分/週、余暇場面では妊娠前41.6±5.7分/週、妊娠後13.4±3.3分/週であり、妊娠中期には全ての場面において身体活動が有意に少なかった。 本年度は妊娠前と比較して妊娠中期の身体活動量が少ないことは明らかになったものの、この少ないとされる身体活動量と妊娠関連アウトカムとの関連は不明である。したがって、 次年度は本コホートのデータ解析を行い、本年度に明らかになった妊娠期の身体活動状況と健康アウトカムとの関連を検討することで、日本人の妊婦における身体活動の推奨量を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究初年度から継続して、コホート研究のフィールドである複数の病院と調整してきた。またデータ解析を協力研究施設(病院)にて行う必要があるが、新型コロナウイルスの影響もあり出張などを自粛した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はコホートデータの解析を行い、妊娠期における身体活動量とアウトカムの関連を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の使用計画には、データ解析を行うための出張費や、そのデータを公表する論文出版費を予定していた。しかし新型コロナウイルスの影響で、出張を自粛していたためこれらの予算を次年度に使用することにした。
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