研究課題/領域番号 |
17K13234
|
研究機関 | 東京聖栄大学 |
研究代表者 |
矢島 克彦 東京聖栄大学, 公私立大学の部局等, 助教 (70632264)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | エネルギー代謝 / 脂肪酸 / 生体リズム / 時計遺伝子 |
研究実績の概要 |
本研究の最終目標は、24時間のエネルギー代謝と生体リズムの評価から、生活習慣病リスク低減に有効な脂肪摂取のエビデンスを確立することである。研究課題番号17K13234では、 1)飽和または不飽和脂肪酸に富む食事摂取が、深部体温および脳波の周期的変動に与える影響 2)飽和または不飽和脂肪酸に富む食事の摂取が、末梢組織の時計遺伝時発現に与える影響 3)エネルギー代謝と生体リズムに影響を与える脂肪酸はその他にあるのか? 上記3つについて明らかにすることを目的とする。 平成30年度は、平成29年度に測定した深部体温、および睡眠時脳波についての解析、および目的2)のための実験に取り組んだ。深部体温に関しては、高不飽和脂肪酸食試行と比較し高飽和脂肪酸食試行において、頂点位相が有意に後退した。睡眠時脳波に関しては、高不飽和脂肪酸食試行と比較し高飽和脂肪酸食試行において、入眠後最初に現れる第一周期の深睡眠が有意に減少し、第二周期では増加した。上記2つのパラメータはヒトにおける生体リズムの代表的な指標であり、これらの結果は高不飽和脂肪酸食試行に比べて高飽和脂肪酸食試行の生体リズムが後退したことを一貫して示した。続いて目的2)では、平成29年度に採取した被験者の血液サンプルから白血球核の時計遺伝子発現を解析した。コア時計遺伝子であるClock, Bmal1, Per, Cryの発現リズムを解析した結果、各遺伝子発現に日内変動に2試行間の有意な差は観察されなかった。本年度の研究活動により、目的2)まで完了することができた。平成31年度はエネルギー代謝、深部体温、睡眠時脳波および時計遺伝子発現の関連性を検討し、目的3)の検討へと進展させていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用を予定していた機器の不調、実験被験者の募集が計画通りに進まなかった事などが重なり、実験の開始が遅れてしまったことが理由である。上記トラブルは解決しているので、最終年度となる平成31年度には計画していた研究が完遂できるよう努める。
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度までに解析した結果を踏まえ、エネルギー代謝、深部体温、睡眠時脳波および時計遺伝子発現の関連性を検討し、「エネルギー代謝と生体リズムに影響を与える脂肪酸は他にあるか?」という視点で研究を推進していく。具体的には、不飽和脂肪酸の中でさらに複数の種類の脂肪酸に着目し、ヒト被験者への影響を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実験計画が若干遅れている状況であるため、消耗品等での使用が計画通りに行われなかった。そのため差額が生じている。研究計画に影響はない。
|