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2017 年度 実施状況報告書

運動ストレスが血中ペリオスチンおよび関連因子に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 17K13235
研究機関愛知工業大学

研究代表者

今井 智子  愛知工業大学, 工学部, 講師 (50613593)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードペリオスチン / 気道炎症 / 運動ストレス
研究実績の概要

運動トレーニングは喘息性疾患の増悪因子としても知られ、エリートアスリートにおいては運動誘発喘息の高い罹患率が多数報告されている。しかしながら、運動ストレスが慢性的な気道炎症を引き起こすことを示す有用なバイオマーカーは開発されておらず、予防法および対処法は確立されていない。
申請者らは,運動後の気道炎症に着目し、好酸球性気道炎症の指標である呼気一酸化窒素(FeNO)を用いて一過性の変動を検討してきた。これらの検討で運動前後におけるFeNOの変動は個人差が大きく、運動後にFeNOが増加するタイプと低下するタイプがあることを報告した。しかしながら、その要因は明らかにすることはできなかった。
そこで、本研究は運動トレーニングと気道炎症との関連を明らかにするため、近年Th2型炎症反応のバイオマーカーとして注目されている血清ペリオスチンに着目した。血清ペリオスチンは細胞外マトリックスとマトリセルラータンパク質の特徴を併せ持ち、Th2型サイトカインであるIL-13により発現が誘導されることが明らかになっている。また、機械的伸展による物理的刺激からも発現が誘導されるため、運動ストレスを介して発現した血清ペリオスチンが気道炎症に寄与する可能性がある。
本検討では運動ストレスにおける血清ペリオスチンの応答および気道炎症への影響を明らかにし、運動が気道炎症を惹起するメカニズムの一端を明らかにすることを目的としている。H29年度は大学アスリートを対象に測定を実施し、分析および検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年はアスリートの気道炎症とペリオスチンとの関連を検討するため、定期的にトレーニングを行なっている37名の大学生男子アスリートを対象に血液検体の採取、呼気一酸化窒素(FeNO)及び呼吸機能検査を行った。血清は凍結保存後、ELISA法を用いてペリオスチンを検出しFeNO及び呼吸機能との関係について分析を進めることができた。
さらに、H29年度は上記の対象者を3群に分け、アレルギー性炎症を抑制することで知られるエイコサペンタエン酸(EPA)を3週間摂取させる介入研究を進めることができた。この検討は本研究課題である運動ストレスにおける気道炎症の予防法確立に向けた検討である。以上の進捗から、おおむね順調に検討を進められている。

今後の研究の推進方策

平成30年度は、昨年度凍結保存した血液検体の分析を中心に行い、気道炎症と血清ペリオスチン及びTh2型サイトカインであるIL-13、IL-4との関連を検討する予定である。また、EPA摂取群と非摂取群の運動ストレスにおける血清ペリオスチンへの影響に関して詳細な分析・比較検討を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

測定キット(ELISA)および関連消耗品購入のための十分な残高が残っていなかったため、次年度に繰越を行った。

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公開日: 2018-12-17  

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