ペリオスチンはマトリセルラータンパク質として知られ、慢性的なアレルギー反応やリモデリングに関わることが報告されている。近年、ペリオスチンは好酸球やマスト細胞の活性に関与することも明らかになっており、慢性的なアレルギー炎症に関わるTh2型の主要なバイオマーカーとして着目されている。 血中のペリオスチンは機械的な伸展や物理的な刺激などからも発現することが報告されている。アスリートはパフォーマンス向上のために日常的に高強度の運動トレーニングを反復するが、運動刺激による全身への機械的なストレスがペリオスチンの発現を刺激する可能性が考えられる。つまり、運動ストレスにより刺激されたペリオスチンが気道炎症や運動誘発喘息に関与する可能性が考えられる。 そこで、本検討は運動ストレスにおける血中ペリオスチンの応答を検討することを目的とし、大学アスリートを対象に血中ペリオスチンの応答とその関連因子の検討を行ってきた。最終年度は運動タイプの比較対象を増やすため、追加実験の準備及び分析を予定していたが、感染状況の悪化により測定・実験の延長をおこなった。本年度は感染対策の上、追加実験を行う準備を整えていたが、直前に感染者の増大及び蔓延防止法の施行により施設内での実験が中止となり、追加実験を行うことができなかった。ただし、在籍先において実験を行う準備を進める段取りを整えることができた。これまでの研究成果をまとめ投稿準備を進めている。
|