本研究課題により、我々は胎盤重量と出生体重の両方が高い検体と低い検体を用いて、マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を行い、胎盤重量、出生体重と遺伝子発現量が関連する遺伝子をいくつか同定した。今回、同定した遺伝子は、出生体重や胎盤重量との関連性について報告のない遺伝子がいくつか含まれていた。現在、これら同定した遺伝子発現と栄養成分との関連性について検討しているが、この検討により、どのような栄養成分が妊婦に重要であるのかを示すことができる。さらに将来的に、その栄養成分を用いて妊婦への介入指導を行うことができれば、DOHaD説に基づく生活習慣病の予防につながり、「先制医療」の実現に期待される。
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