研究課題/領域番号 |
17K13238
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研究機関 | 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所 |
研究代表者 |
北濃 成樹 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員(移行) (20762206)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 身体活動 / 不眠 / メンタルヘルス / 加速度計 / 産業衛生 / 疫学 |
研究実績の概要 |
平成29年度は研究体制の構築、研究ベースライン時データの収集、および予備的データを用いた横断分析を実施した。具体的には、協力研究フィールドである健診施設で加速度計を用いた調査を導入するに当たり、オペレーションの構築、スタッフの育成、研究対象者への結果フィードバックシステムの確立を行い、最終的に、平成29年度は約2000名の勤労者からデータを収集した。収集した加速度計データをクリーニングするための試作型プログラムを開発し、作業の効率化を測った。当該プログラムは、より大規模な調査や柔軟なデータ集計に耐えうるよう、今後も開発を進めていく。 他のフィールドから得られた同様の横断データを用いて予備的分析を実施し、その結果を学会で発表した。そこでは、デスクワーカーにおいて、12時から18時までの低強度身体活動量が眠気の低さと関連し、18時以降の高強度身体活動量が睡眠効率の高さと関連することを明らかにした。今後、この結果が上記2000名のデータによっても再現可能かを検証するとともに、身体活動(運動)の実践頻度と睡眠の関連も検討していく。 また、追跡1年目調査に向けた準備にも着手し、すでに平成30年度以降も調査を継続できる旨を協力研究フィールドから確認している。そのうえで、現在は、より多くの研究対象者を確保するための調整、および他の研究フィールドの開拓を進め、同時に、より大規模な調査を行うための研究体制の整備に従事している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に比べ多少サンプル数が減ったが、おおよそ予定通りの人数、調査項目のデータを収集できている。また、平成30年度の追跡調査に向けた準備も完了している。
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今後の研究の推進方策 |
ほぼ計画通りにデータ収集が進んでいるが、規模をより拡大すべく、協力研究フィールドとの調整と研究対象者受け入れのシステムづくりに取り組む。また、加速度計のデータをクリーニングするためのプログラムを開発する。得られたデータから、身体活動の実践時間帯や頻度の違いが1年後の主観的睡眠の質に及ぼす影響を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、初年度に活動量計200台を購入する予定であったが、研究規模の縮小と調査手法(運営方法)の効率化に伴い、物品費の削減に成功したため、次年度使用額が生じた。しかし、平成30年度は研究規模の拡大が予想され、また既存の活動量計の耐久年度を迎えるため、当該予算は計画通り、活動量計の購入費用に充填する予定である。
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