子どもにおける貧困の連鎖・健康への影響は世界的にもわが国においても急務の課題である。また日本では、子どものむし歯の全国平均は減少してきたが、疾病・異常を被患率等別にみると、小学校においてむし歯の者の割合が最も高く、その格差は拡大している。フッ化物配合歯磨剤の集団導入に関する先行研究は国内外において多くあり、その効果が示されてきたが、貧困の連鎖の解消を目的とし、保護者の経済社会的地位を調整した上での報告は調べた範囲では未だない。また、むし格差解消を達成できるような介入については科学的に検証され確立した方法が世界的にもないことから、子どものむし歯に影響を与える因子についての報告が求められている。
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