研究課題/領域番号 |
17K13252
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研究機関 | 白梅学園大学 |
研究代表者 |
石島 このみ 白梅学園大学, 子ども学部, 講師(移行) (70735117)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 遊び / 身体接触 / 社会性の発達 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,乳児期の1.5ヶ月,3ヶ月,5ヶ月,7ヶ月の4時点における父親・母親との身体接触遊び(特にくすぐり遊び)の発達の様相を,視線・音声・三次元動作解析及び行動観察から包括的に明らかにすることである。データ収集には,ビデオカメラ,メガネ型アイトラッカーと小型モーションキャプチャを用いた。各回の観察では,行動データの収集に加え,どの程度うまく遊べたか(身体接触遊びの成立の成否)の主観的判断やくすぐり遊びについてのイメージを測る質問紙(独自に作成)と,産後うつに関する質問紙(Edinburghうつ尺度)への回答を求めた。 本年度は,得られたデータについて2018年度から継続して分析を行うとともに,知見を国内外の学会にて報告することを計画していた。しかしながら,2018年度において研究協力者のリクルートが当初の想定よりも難航したため,本年度も引き続きデータ収集及び分析を行なった。本年度では,研究目的を達成しうる範囲内で必要に応じて対象者の枠を緩めて研究協力者のリクルート及びデータ収集を行い,現在,分析の段階へと移行している。身体接触遊びはマルチモーダルになされる相互作用であるため,身体接触とそれに伴う音声・視線も含めて微視的・定量的かつ包括的に捉える必要があり,その方法論の検討も行っている。分析の結果,親子のくすぐり遊びにおける相互作用の様相が発達的に異なること,さらにそこにおける親の子どもの行動の捉え方・遊びがうまくいった/いかない等の主観的判断にも発達的な差異があることが見出されつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度において研究協力者のリクルートが難航したため,本年度も引き続きデータ収集及び分析を行うこととなった。研究協力者のリクルートについて,研究目的を達成しうる範囲内で必要に応じて対象者の枠を緩めて対応した。さらに得られたデータの分析を行い,新たな知見が見出されつつある。しかしながら,結果をまとめ,成果として発表する段階には至らなかった。以上を総合的に判断し,やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,基本的に現在までに得られたデータについてさらなる分析を進め,成果としてまとめていく。具体的には,①身体接触遊び場面(特にくすぐり遊び)において,どのような相互作用がなされ,いかに発達するか,②親の関わりかけにはどのような性差・共通性があり,乳児はそれにいかに反応するか,③「うまくいった遊び」「うまくいかなかった遊び」におけるインタラクションの差異はどこにあるのか,④乳児による予期・意図の読み取り及び親による足場作りはどの時点から発現し,いかに発達するか,といった点に着目しながら分析を行い,得られた知見を国内外の学会にて報告するとともに,学術論文としてまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度において研究協力者のリクルートが難航したため,本年度も引き続きデータ収集及び分析を行うこととなり,計画とのずれが生じて残額が出た。未使用分は主に学会発表のための旅費や人件費・謝金費として使用する予定である。
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