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本研究は、幼児のバランス能力評価が未確立である側面（支持基底面の大きさ、重心移動の正確性、外乱負荷応答）を評価する“遊び”を取り入れた幼児のバランステストの開発を目的として、検討課題１：既存のバランステストの信頼性の検証、検討課題２：新規バランステストの開発、検討課題３：遊びを取り入れたバランス能力測定方法の妥当性の検証の3つの検討課題に取り組んでいる。
前年度までに、乗り物遊びテスト、バランスボード遊びテスト、魚釣り遊びテスト、シーソー遊びテスト等の新規バランステスト開発に取り組み、難度設定や安全性、測定値の信頼性等の観点から幼児を対象とした際の実施可能性を検討し、支持基底面の大きさを評価する「魚釣り遊びテスト」に加え、重心移動の正確性および外乱負荷応答を評価する「バランスボード遊びテスト」の2種目を選定し、幼児を対象とした測定方法の確立や測定機器の改良を試みた。
令和２年度は、前年度までのテストの改良点を踏まえたうえで両テストの妥当性の検証を実施した。両テストとも、既存テスト（ファンクショナルリーチテストおよびディジョックボードテスト）との関係を各種変数から検討し、一定の基準関連妥当性が認められた。また、測定方法による影響の程度を検討し、テストの信頼性および妥当性を確保したうえで、より幼児が実施しやすいテスト方法の検討を重ねた。本研究課題の結果から、新規に開発した「魚釣り遊びテスト」および「バランスボード遊びテスト」は、一定の信頼性および妥当性を有する幼児のバランステストとして実用可能であることが示唆された。
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