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2018 年度 実績報告書

BNTX誘導体の抗トリコモナス活性発現メカニズムの解明、及び、構造活性相関研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13259
研究機関筑波大学

研究代表者

沓村 憲樹  筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (00439241)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードオピオイド / モルヒナン / ノルモルヒナン / Favorskii転位反応 / 鎮痛 / 抗トリコモナス活性
研究実績の概要

本研究は、7-ベンジリデンナルトレキソン(BNTX)誘導体が有する抗トリコモナス活性に着目し、その作用機序の解明を目指すと共に、構造活性相関研究を通じて既存薬のメトロニダゾールに匹敵するような活性化合物を見出す事を目的としたものである。
平成30年度の計画に従い、新たに30検体ほどのBNTX誘導体を合成して抗トリコモナス活性評価を行ったが特に著しい結果は見られなかった。また、前年度に見出した新奇転位反応(ナルトレキソン誘導体と2-ピリジンカルボキシアルデヒドによる反応)は、17位窒素上の置換基がシクロプロピルメチル(CPM)基以外の置換基でも同様に進行する事を確認した。
これらの転位成績体のオピオイド受容体結合試験の結果は、非常に興味深いものであった。まず転位成績体のうち、Favorskii型中間体に反応溶媒のメタノールが求核付加したメチルエステル誘導体に関しては、特に窒素上の置換基がCPM基の時、オピオイド受容体と非常に強く結合した(MOR:Ki=1.49nM, DOR:Ki=1.94nM, KOR:Ki=0.795nM)。また、窒素上の置換基を変えることによって受容体への親和性や受容体タイプ選択性が大きく変化することも見出した。一方、転位成績体のうちスピロ-γ-ラクトン構造を有する化合物については、ほぼ全ての化合物がDOR(δオピオイド受容体)に対して選択性を示す結果となり、特に窒素上の置換基がCPM基の化合物とフェネチル基の化合物については強いDORアゴニスト活性を示した。このフェネチル基置換スピロ-γ-ラクトン転位成績体については、有望なDORアゴニスト候補化合物であることからin vivo評価も行ったところ、投与量依存的に十分な鎮痛作用を示す結果となった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] モルヒナン骨格の特異な反応とその骨格を利用した活性アルカロイドの合成2018

    • 著者名/発表者名
      沓村憲樹、長瀬 博
    • 雑誌名

      有機合成化学協会誌

      巻: 76 ページ: 914-921

    • DOI

      10.5059/yukigoseikyokaishi.76.914

    • 査読あり
  • [学会発表] 4,5-エポキシモルヒナンにおけるFavorskii型転位反応の研究2018

    • 著者名/発表者名
      小山恭章、沓村憲樹、鈴木優子、富永健一、山本直司、斉藤 毅、南雲康行、長瀬 博
    • 学会等名
      第48回複素環化学討論会
  • [学会発表] 14-アミノナルトレキソン誘導体の異常転位反応2018

    • 著者名/発表者名
      大類 彩、前田健太、南雲康行、山本直司、斉藤 毅、沓村憲樹、長瀬 博
    • 学会等名
      第48回複素環化学討論会
  • [学会発表] 14-アミノナルトレキソン誘導体の異常転位反応2018

    • 著者名/発表者名
      前田健汰、大類 彩、南雲康行、山本直司、斉藤 毅、沓村憲樹、長瀬 博
    • 学会等名
      第44回反応と合成の進歩シンポジウム
  • [学会発表] 大学における創薬化学を考える2018

    • 著者名/発表者名
      沓村憲樹
    • 学会等名
      東京理科大学 卒業研究C特別講義
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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