研究課題
本研究の目的は、申請者等が開発した新規リガンド開発のための方法論を用いて、内在性リガンドを模倣する新規共有結合性PPARγアゴニストを創製し、その作用機序を明らかにすることである。令和1年度は、前年度設計した、不可逆的PPARγアンタゴニストおよびパートナーリガンドの融合化合物の化学合成を行った。立案した合計10段階からなる合成ルートに基づき合成を進めたところ、反応の進行が困難な段階に行き当たった。そこで、より簡便な合成法として生体直交型反応を活用した新規合成ルートを立案し、合成を行ったところ、目的融合化合物の合成に成功した。本化合物の生物活性評価を行い、PPARγ転写活性化能を有することを確認した。また、作用機序を明らかにするため、合成化合物、トログリタゾン、先行研究で合成した共有結合性アゴニストをそれぞれ処理した細胞における遺伝子発現をRNAシーケンスを用いて網羅的に解析した。その結果、脂質代謝や炎症に係る遺伝子の発現変動が観察された。
2: おおむね順調に進展している
当初計画した合成ルートを断念せざるをえなかったが、代替の合成法を考案し、目的化合物の合成を完了した。また生物活性評価、および遺伝子発現の網羅的解析を計画通り遂行できたため、概ね順調に進展していると判断した。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、予定していた学会発表ができなくなったため、令和2年度に開催される学会にて発表を行う。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、予定していた学会が中止となったため。令和2年度に日本農芸化学会にて発表を行う。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)
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