研究課題
若手研究(B)
本研究では、実用的な近赤外生物発光系の開発を目指し、第三周期元素で架橋された新たなセレンテラジン類縁体の合成法の開発を検討した。その結果、ホスホン酸ジチオエステルに対してGrignard反応剤を順次作用させることで、炭素-リン結合を1つずつ形成し、さまざまなホスフィンオキシド類を合成することに成功した。また、ホスフィン酸チオエステルに対してベンジルGrignard反応剤を作用させたときには、炭素-硫黄結合が選択的に形成でき、種々のベンジルスルフィド類を合成できることを明らかにした。
有機合成化学
生きた生物の中を可視化するための技術を開発するべく、セレンテラジンと呼ばれる発光基質に対して、リンや硫黄などの第三周期元素を架橋部位として導入することを計画した。本研究では、リンや硫黄を炭素に導入する新しい手法の開発に成功し、この手法を利用することで、リンや硫黄で架橋された化合物群を合成できることを明らかにした。