本年度は、昨年度収集した日本統治期台湾における女性関係資料について整理を行い、当時の社会における女性イメージの変化について、分析を行った。この研究成果については、5月26日‐27に杭州で浙江大学と香港大学の共催で開催された The FORTH Global Creative Industries Conferenceに参加し、Politics of female image building in Taiwan during Japanese rule: From the Comparison of Women's Representation in Taiwan Women's World and Taiwan Patriotic Women in the 1930's と題された報告を行い、また、それに加えて9月15‐16日に甲南大学で開催された第91回日本社会学会において、「日本統治期の台湾における近代女性イメージ構築:1930年代の『台湾婦人界』および『台湾愛国婦人』における女性表象の比較から」と題された報告を行い、日本の社会学者並びに東アジアにおける文化研究の研究者との活発な議論を行った。 また、日常生活における実践と近代的な知識及び社会制度との結びつきについて検討するために、「想像の共同体」論について再検討を行った論文を『社会学雑誌』35号に「『想像の共同体』論の再構成―【知識‐制度‐実践】による架橋の試みに注目して―」と題して投稿し、掲載を許可された。これに加えて、日常的な実践と社会との結びつきについて検討した論考を、昭和堂から2019年中に出版予定である『大学生のための基礎科目シリーズ 社会学』の「第16章 日常の中の非日常 消費の社会学」として執筆した。
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