本研究計画を通じて、複数の近代化下の本島人女性たちは、「近代」「日本」「中華」などの複数の近代性、「職業婦人」「専業主婦」「モダンガール」などの近代女性像など台湾における文化正統性が複数存在することを利用し、所属していた階層や生活様式に合わせて、結婚修行のため、新たな母親役割に対応するため、女性の社会進出のためなど、相対的に自律的で複層的な文化戦略を取っていたことが明らかになった。この自律性あるいは選択可能性は、本島人女性、時には内地人女性を含めた女性内部での意見の相違、あるいは対立を生み出しており、総じて個人として権力を行使する消費者としての女性像(≒モガ)への評価が低いことが分かった。
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