研究期間の二年目であり、本年は昨年度同様、研究資料の整理やデータベースの構築を継続しながら、実証分析に取り組んだ。そして、本年は二年目でありなおかつ最終年度であるため、得られた知見をもとに、研究の取りまとめを進めた。 本研究は、中国のイノベーションについて「制度」「イノベーション」、そして、それらを複合した「制度とイノベーションの連関」という3つの視点から考察することを目的に取り組んできた。 「制度」に関する研究実績としては、本研究の研究成果が英文雑誌(査読付き)にNakagane and Mitsunami(2018)として掲載された。また、その研究成果については、国内学会だけでなく、2018年にロサンゼルスで開催されたAPEA(Asia-Pacific Economic Association)の大会にて、国際学会発表という形で発信することが出来た。 「イノベーション」に関する研究実績としては、本研究の研究成果の一部を、まずは三竝(2019)(著書(共著))という形で発信したほか、招待を受けたシンポジウムなどにおいても対外発信をすることが出来た。また、研究から得られた知見の社会への還元を目的の一つとして執筆した著書(共著)も2018年に刊行された。また、本研究におけるイノベーションに関する研究で得られた知見をもとに、日本におけるイノベーションの事例に注目して執筆した論文もMitsunami and Nakai(2018)という形で英文雑誌(査読付き)に掲載できたため、それも併せて記しておきたい。 「制度とイノベーションの連関」に関する研究については、本研究期間終了後に国内外の査読付き雑誌への投稿を目指して研究を取りまとめてゆきたいと考えている。二年間という研究期間の中で、上記のような研究成果を残せたことは、特筆すべき点として挙げておきたい。
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