研究課題/領域番号 |
17K13295
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地域研究
|
研究機関 | 大阪大学 (2019-2022) 法政大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
松村 智雄 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 講師 (30726675)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 1950年代インドネシア議会議事録 / インドネシア / 華人 / 国籍 / 1959年政令10号 |
研究成果の概要 |
1950年代後半のインドネシアにおいて実施された諸政策は、結果的には華人迫害の様相を呈したものの、それは「インドネシアの枠組みを定める」一連の施策、つまり新生国家の人の枠組み(国籍)及び国土の枠組み(行政区画の再編と国境問題)という文脈で不可避的に生じた側面が明らかになった。また従来単線的に単純化されて理解されてきた「1959年政令10号」についても、その実施について国民議会内で様々な議論が展開され逡巡を伴ったものであったこと、また華人の強制退去についてはこの法令そのものというよりもそれ以前に定められた諸法令によるものである点など、より当時の複雑な政治状況に即した理解が可能になった。
|
自由記述の分野 |
東南アジア、主にインドネシアを中心とする華人研究、現代史研究
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、華人迫害の文脈でインドネシアの華人の歴史の中で描かれてきた諸政策について、非常に単純化されて描かれてきたのに対して、それがどのような必要からどのような思惑から出てきた政策でどのように実施されたのであるか、という点について着目して、同時代の政治的文脈に十分に注意しながら理解を進めるというものであった。これまでの「経済のインドネシアか」、「華人迫害」という単純かされた理解に対して、どう時代資料からどのようなことがわかるか、ということを問うことによって、インドネシア国家によってどうしてどのような施策が必要とされたのか、という点を問い直すことになった。
|