当初の計画から一年間の期間を延長したため,2019年度は最終年度となり,これまでの研究の補完的作業を行うとともに,成果の公表を行い始めた。 2019年8月~9月にかけてブラジルにて現地調査を行い,ペルナンブコ連邦大学やサンパウロカトリック大学を中心に,本研究課題の3つの柱である(1)地域経済の発展パターンの類型化:地域経済の分類,(2)地域主体・参加型イニシアチヴの役割と効果:アクター,プロセスの検討,(3)地域経済の発展に関する実証分析,に関するヒアリングと研究協力者との意見交換を行った。 研究成果の公表は,2019年6月に発行された『国民経済雑誌』の中で,浜口伸明との共著で「ブラジル有権者の急な右旋回:市データを用いた2018年度大統領選挙の分析」として発表した。同論文では,本研究を通して得られた,ムニシピオ・レベルでの情報をもとに社会的・経済的状況を考慮した実証分析結果を報告している。また,2019年8月にはリオデジャネイロ市にあるCandido Mendes大学大学院において,社会政治学研究科の特別講義として”A Repentina Virada a Direita na Politica Brasileira: Uma Analise a Partir dos Dados Municipais das Eleicoes Presidenciais de 2018”と題した研究発表を行った。
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