• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

同性カップルの法的保障の拡大過程に関する国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13299
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

佐藤 美和  お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 特別研究員 (80750992)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード同性パートナーシップ / 同性婚 / パートナーシップ証明 / 性的マイノリティ / 人権
研究実績の概要

平成29年度は、同性パートナーシップ制度の制定過程に関して、国内の事例およびオランダとアメリカの事例を中心に調査を行い、以下の成果を得ることができた。
第一に、国内で同性パートナーシップに関する施策を実施している6自治体(東京都渋谷区、東京都世田谷区、三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市、北海道札幌市)に対する調査をもとに、施策の内容と策定経緯の整理をおこなった。策定過程においては、主要なアクターとして1) 首長、2) 議員、3)当事者団体の3つが施策の導入を推進する役割を果たしていたことを明らかにした。また、性的マイノリティに関して先行する取組みあるかどうかが、施策の導入の背景として関わっていた。
第二に、海外における自治体レベルの同性パートナーシップ制度の先進事例の調査を実施し、オランダとアメリカの事例を中心に制度の内容と制定過程を整理した。アメリカの場合は、1980年代後半から複数の自治体でドメスティック・パートナーシップ制度が開始されている。制定過程においては、首長や当事者である議員の主導の下に制度構築されていたことが分かった。また、オランダでは、1991年から1998年の登録パートナーシップ法制定までの間に、同性カップルの法的効果を伴わない登録を受け付ける自治体の対応が広がっていた。その要因として、司法や立法の動向を背景とした、当事者団体の働きかけがあったことが分かった。
以上の成果をもとに、自治体レベルの同性パートナーシップ制度の国際比較を行い、それぞれの特徴を明らかにするとともに、国内における同性カップルに対する法的保障の展望を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度は、計画していた調査、および、その成果報告をおこなうことができたため、おおむね計画通りに進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

同性パートナーシップ制度の制定過程について、引き続き国内外の調査と文献研究を実施する。特に、国内では同性パートナーシップに関する施策の導入に新たな動きがあることから、調査先を追加する予定である。平成30年度からパートナーシップ宣誓制度を開始した福岡市、平成31年度からの導入を検討している大阪市と千葉市、本会議において同性カップルの「パートナーシップの公的認証」に関する請願を採択した港区の他、新たな動向に合わせて適宜調査を実施する。
以上の調査と文献研究をふまえて、引き続き同性パートナーシップ制度の草創期における制定過程の国際比較を行う。

次年度使用額が生じた理由

国内外の同性パートナーシップ制度に関する文献の収集とレビューが当初の予定よりも遅れているため、次年度使用額が生じた。文献の収集は次年度に行うため、研究進行上の支障はない。
文献の収集に加え、当初の予定通り国内外での調査のために使用する。

備考

「性に対する規制の展開」『アメリカ法』 (2017-1) 96-100頁 (2017年)
東京法哲学研究会「『セクシュアリティと法』(法律文化社、2017年)へのコメント 」(2017年9月)
東京法哲学研究会「婚姻の平等と社会的承認」(2018年3月)

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 日本の同性カップルに対する権利保障の現状と法制化に向けた課題――アメリカ・オランダの自治体レベルの同性パートナー制度との比較から2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤美和
    • 学会等名
      ジェンダー法学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi