研究課題/領域番号 |
17K13300
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
跡部 千慧 静岡大学, 男女共同参画推進室, 助教 (70780823)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 戦後女性労働史 / ワークライフバランス / 教員運動史 |
研究実績の概要 |
女性の継続就労と管理職登用の課題を、小中学校教員を対象とした歴史的事例から考察する本研究では、当初たてた研究計画の一部を変更しつつ、おおむね平成30年度に必要な作業を終えることができた。 (1) まず、女性労働史研究の方法論の検討については、家族研究の文献サーベイを進めることによって、家事労働と賃労働の連関という視点から、新たな研究動向を見出すことができた。また世界社会学会議(平成30年7月15日~21日、トロント)に参加し、ジェンダー研究に関するセッションおよび移民研究における家事労働者を対象とした研究発表に多数接したことによって、本研究への多くの示唆を得た。 (2)昨年度、『日教組運動資料(婦人)』『日教組婦人部総会・委員会資料』『日教組婦人部報』から収集した該当資料を読み込み、インタビュー調査との関連付けを行なった。 (3) 平成29年度に、引き続き、インタビュー調査を進めた。小中学校教員や、女性教員とともに、地域で運動を進めてきた母親たちへのインタビュー調査を実施し、女性教員の労働の実態を、学校外にまで広げて把握することができた。 以上の成果を、国際ジェンダー学会2018年度大会(平成30年9月)、日本労働社会学会第30回大会(平成29年10月)にて報告し、ジェンダーと社会政策の専門家や、女性教員の管理職登用を研究してきた専門家から助言をもらった。また、研究成果をまとめた論文をまとめ、『社会学評論』69巻3号、『立教大学ジェンダーフォーラム年報』20号、『応用社会学研究』61号に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
女性労働史研究の方法論の検討と、史資料分析およびインタビュー調査をもとに、国際ジェンダー学会2017年度大会(平成29年9月)、日本労働社会学会第29回大会(平成29年10月)にて口頭報告し、論文をまとめ、『社会学評論』69巻3号、『立教大学ジェンダーフォーラム年報』20号、『応用社会学研究』61号に掲載することができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに集めてきた史資料およびインタビュー調査データを、本研究の賃労働と家事労働の連関を捉え出す方法論に基づいて、分析し新たな論文にまとめていく予定である。
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