研究課題
若手研究(B)
カンボジアにおける移住労働は日常のものとなっており、性規範に基づいたジェンダー意識から移住を余儀なくされる女性が後を絶たない。本研究では、国境地域の集落に居住する単身移住者、母子世帯者、人身売買被害者、家族移住者など多様かつ複雑な背景を持った女性移住者に焦点をあて、以下を考察した。①国境地域に移住する女性の類型と越境形態を明らかにし、②女性居住者らの社会環境分析を行い、③同地域内における社会的包摂のあり方(論理)を捉えた。
開発学、社会開発
研究成果の学術的意義ならびに社会的意義として、周縁化された女性たちの動態を捉え、“共同体の類型と包摂のあり方”を明らかにすることは、彼女たちをつなぐ関係性、さらにはコミュニティ形成のロジックなどを捉えることにつながる。それは、メコン河流域諸国内や、今後想定される移住労働の多様化、ならびに脆弱な立場に置かれた人びとの移動に関連する対策に有効な視点が提示できると考える。