研究課題
若手研究(B)
関連性論理の意味論について哲学と形式論理学双方の観点から検討した。哲学分野では、いわゆる可能世界意味論を「脱形而上学」化し、ブランダム流の推論主義の枠組みで解釈する道を開いた。形式論理学の分野では「様相演算子としての否定」というアイディアを利用することで、従来の関連性論理の意味論の理論構成を新たな仕方で捉えることに成功した。以上の研究成果は、各種学会やワークショップにおける口頭発表や論文集への寄稿を通じて発表した。
論理哲学
本研究で取り上げた可能世界意味論や、証明論的意味論を含む推論主義的意味論、関連性論理をはじめとする非古典論理といったトピックは、従来の論理哲学においては、それぞれ重要視されながらも、別個に研究されてきた。本研究では、形式論理学の分野における独自の研究成果を用いながら、これらのトピックを総合的に理解する道を示した。そこでは、自己と他者のあいだのやりとりを通じて推論を行い、さらにそうした推論へのコミットメントを明示化することで自らの合理性を吟味する、という推論主義的描像が姿を現わしつつある。