最終的な研究成果として明らかになったのは、「公衆優先原則と環境配慮義務において主張される「公衆の安全・衛生・福利」および「環境への配慮」という文言そのものに多義性が認められるが故に、それらの文言が指示する内容が一体どのようなものであるかを明文化することが重要である」という点である。公衆優先原則および環境配慮義務におけるそれぞれの文言が指し示す内実を明らかにしない限り、公衆優先原則と環境配慮義務の間に生ずる相反については、解消が困難である。本研究によって、それらの相反関係を解消しうる基準の雛形を作成することができた。
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