研究課題/領域番号 |
17K13331
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
竹元 規人 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (80452704)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 『尚書』 / 経学 / 崔述 / 梅さく(族の下に鳥) / 閻若きょ(據の手偏を王に) / 今古文 / 魏源 / きょう(龍の下に共)自珍 |
研究実績の概要 |
今年度は以下の点を実施した。 (1) 研究計画に基づき,19世紀の今文学派の『尚書』認識について研究を進めた。きょう(龍の下に共)自珍(1792-1841)・魏源(1794-1857)らの『尚書』に対する見解が,それまでの『尚書』に関する議論をどのように修正するものであったのか,また,そうした見解が近代以降の経学(史)研究にいかにつながっていくのか,見通しを得た。 (2) 昨年度の研究成果の一部を,論文として発表した。崔述(1740-1816)の偽古文尚書に対する認識を,梅さく(族の下に鳥,1483頃-1553),閻若きょ(據の手偏を王に,1636-1704),恵棟(1697-1758)ら先行する辨偽の成果と比較したものである。 (3) 2018年12月14日に京都大学において国際研究集会「『尚書』解釈の過去と現在」を開催した。(2)の内容に,(1)の研究成果の一部を加味して発表を行った。発表への討論や尚書学・経学全般に関する討論も行い,(1)(2)の成果について有益な意見を得ることができた。 (4) 2019年3月初旬に台湾の中央研究院において,近年の台湾における尚書研究に関し,資料調査および研究者に対するインタビューを行った。研究の経過と現状・課題を理解することができ,本研究の方向についても有益な示唆を得ることができた。 昨年度に引き続き,尚書学・経学関係図書及び電子資料の収集を進めた。これまでの研究成果については,次年度以降引き続き発表を行う。以上のうち(3)(4)は,京都大学人文科学研究所の若手研究プロジェクト(「『尚書』解釈の過去と現在」,代表者は竹元)との共催により行うことで,本研究の国際化・広域化を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成果発表を行い,研究集会を開催し,研究推進のための資料収集やインタビューも行うことができたので,研究計画はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で得られた『尚書』学史・学術史に関する見通しを,収集した資料やインタビューによる情報を活用しながら,裏付け・肉付けしていき,論文や研究発表として具体化させていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
パソコンの買い換え費用として予算を計上していたが,現在使用しているパソコンは購入後8年および7年を経過するものの,OSを最新にし部品交換を行うなどしてなお使用可能であることから,今年度はなお買い換えを実行しなかった。 主にこの理由により次年度使用額が生じており,次年度以降使用する計画である。
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