研究課題/領域番号 |
17K13331
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
竹元 規人 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (80452704)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 『尚書』 / 経学 / 考証学 / 中国近代学術 / 今古文 / 文法 |
研究実績の概要 |
今年度は当初計画では最終年度であったため,補足的な資料調査を行うとともに,成果発表に重きを置く予定であったが,感染症の流行・警戒のため,勤務地に留まって行い得る研究を主とすることとなった。 昨年度までに着手してきた研究内容につき,対象となる文献のより詳しい読解を進めた。具体的には,文献の中でどのような人物や資料が引用・言及されているか,網羅的に抽出して計上し,その結果を他の学者の文献と比較すること,等である。こうした作業を,当初定めた研究の目的のうち,主に②今文学派の位置づけ,③文字・言語研究を通じての方法的転回,の部分について進めた。これによって,学術史・思想史上注目される研究方法・内容が,いかなる根拠に基づいて提示されていたのか明らかになり,尚書学の展開をより確実な根拠に基づいて跡づけることが可能となってきている。 また,改めて近年の研究動向の把握と資料収集を行い,本研究の背景・前提となる範囲まで対象を広げ,研究の視野の見直し・充実を図った。 2021年3月に京都大学人文科学研究所の共同研究班においてオンラインの研究集会を企画し,趣旨説明を行い,目録学の観点から清代から近現代にかけての学術の構成に関する問題を提起したが,「経学から史学へ」という命題の再検討に関する議論を示した点で,本研究課題の成果を反映したものでもあった。 以上のように,本研究の集約に向けて,今年度は全体的な見直しと充実のための研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究期間の延長を申請したものの、研究自体は継続して進行していることから、「おおむね順調に進展している」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に感染症の流行・警戒により延期していた部分を、状況が改善し次第実行し、あるいは代替となる事項も検討・実行する。引き続き、研究の集約と成果発表に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
パソコンの買い換え費用として予算を計上していたが、現在使用しているパソコンは購入後10年および9年を経過するものの、アップデートして使用可能であることから、今年度はなお買い換えを実行しなかった。 その他、今後の研究の推進方策に従い、必要に応じて経費を使用する。
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