研究課題/領域番号 |
17K13334
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
渡邊 温子 大谷大学, 文学部, 研究員 (20760052)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | チベット仏教 / 宗教歌 / チベット古典文学 / チベット文化 / 人間観 |
研究実績の概要 |
チベットの詩聖ミラレーパ(1040-1123)の思想研究を行うにあたり、2019年度5月から出産のため研究を中断し、2020年度も引き続き育児に専念するために、1年間研究を中断した。これまでに『甚深伝』の翻訳作業と資料収集作業を行った。『甚深伝』は前半の伝記部分と後半の宗教歌の二部で構成されているが、伝記の前半の翻訳研究は2017年度に大谷大学真宗総合研究所研究紀要で発表し、2018年度は後半の翻訳研究を同研究紀要で発表した。宗教歌の部分を引き続き翻訳しているが、研究再開次第、順次同研究紀要で発表予定である。資料収集に関して、ミラレーパ研究の第一人者であるQuintman教授から資料の提供を受けた。これをもとに、すでに入力を終えている北京で出版された活字本のデータとまずはニュアーク版写本との校訂作業を進めていく。2019年度、2020年度とチベットでの資料調査が行えなかったが、現地の人々とも情報交換を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年5月1日から2021年3年31日まで産休・育休に入ったため、2019年度は実質1ヶ月間しか研究を行えず、2020年度も研究を中断していたため。
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今後の研究の推進方策 |
『甚深伝』の翻訳作業を進めるとともに、入力が完成している『甚深伝』のデータをもとに、まずはニュアーク版写本と校訂作業を行う。その際、チベット仏教の知識が豊富かつ、校訂作業の経験者である松下ガワ氏に校訂作業を依頼する。なお、テキスト内に方言とみられる表現も見られるため、ミラレーパと故郷の同じツルティム・ケサン大谷大学名誉教授や他の研究者たちと協議の上、翻訳作業に当たる。なお、写本の撮影が不鮮明な箇所がみられるため、実際に資料を見る必要が出てきた。今後の状況をみて、可能ならばアメリカへの渡航を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年5月1日から2021年3月31日まで出産・育休のため、研究を中断していたため。それらは、ニュアーク版写本との校訂作業をアルバイトで依頼するため、謝金として支払う。また、研究に関係する書籍など物品の購入を予定している。状況に応じて可能ならば、アメリカへ資料調査を予定しているため、その旅費とする。
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