• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 研究成果報告書

近世西欧神秘主義の信仰論をめぐる系譜学的・宗教哲学的研究

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 17K13339
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 宗教学
研究機関東京大学 (2019-2020)
天理大学 (2017-2018)

研究代表者

渡辺 優  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (40736857)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード神秘主義 / フランス神秘主義 / スペイン神秘主義 / 魂の根底 / 暗夜 / 信仰 / 十字架のヨハネ / ジャン=ジョゼフ・スュラン
研究成果の概要

神秘主義について従来の研究や一般的理解では概して「(神秘)体験」に重心が置かれてきた。本研究ではしかし、とくに16世紀スペイン、17世紀フランスに開花した近世西欧「神秘主義」を主題として「信仰」論の重要性を明らかにした。さらには、信仰論を軸に、中世から近世、近代そして現代にかけての神秘主義(をめぐる思想と実践)の変容に一定の見通しを与えた。これにより、神秘主義をより広い思想史・哲学史の文脈に位置付けるとともに、西洋近代における宗教理解を問い直す新たな視点を提起した。
主として十字架のヨハネ、スュラン、ギュイヨン夫人、セルトーらを扱い、複数の学術論文のみならず、一般向け書籍でも成果を発表した。

自由記述の分野

宗教学

研究成果の学術的意義や社会的意義

「神秘主義」は、19世紀以来の宗教学の歴史において最も重要な主題のひとつであり、「宗教とは何か」という問いに答えるための特別な研究領域とみなされてきた。だからこそ、従来の神秘主義理解を問いなおすことは、私たちの宗教理解をより深く豊かにする契機となりうる。本研究は、これまでの「体験」中心主義的な神秘主義理解に対して、神という他者を希う「信仰」に神秘主義の核心を認め、その信仰論が歴史のなかでどう展開してきたか、従来見落とされてきた思想史の一側面に光を当てた。
その結果得られた成果は、非合理的・非理性的なものとみなされがちな神秘主義を、把握し難い他者を希求する「別様の知」として捉えなおすことを促す。

URL: 

公開日: 2022-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi