研究課題
若手研究(B)
18世紀後半から19世紀半ばにかけてのフランス・日本の食文化について、それぞれ個別に歴史的考察を重ねつつ、両者が見せる共通性あるいは決定的な差異について確たる見通しがついた段階で、個々の歴史的考察を比較しつつ総括する発表を行った。これにより、両食文化がみせる共通性として、食を知の対象として扱う傾向が明らかになった一方、そうした食の文化が持つ政治性の有無については、決定的な相違があるとの見通しを得た。
思想史
ときに歴史の細部に足を取られ、互いに理解が困難となっている日本・フランス食文化間の対話を促す。また、ややもすれば独善的となる特定の食文化に対する偏向的評価の相対化について、論文読者ないし口頭発表の聴衆が自覚的になる必要性を示唆できた。