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2019 年度 実績報告書

昭和初期「富士山山雲映像」の統合的復元 ― 気象学者阿部正直の遺産から

研究課題

研究課題/領域番号 17K13364
研究機関東京大学

研究代表者

Osawa Kei  東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (80571231)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード科学映画 / 気象学映像 / 阿部正直 / 雲 / 富士山
研究実績の概要

本年度では、アーカイブ調査の結果をデータベースにまとめ、新出資料の追加調査を行い、フィルムと撮影機会との統合的な研究を進め、共同研究の成果を発表した。
本研究の基礎資料であるフィルム・アーカイブを網羅的にまとめた「阿部正直フィルム・データベース」を完成させた。三年間に亘って調査、修復およびデジタル化したフィルムを可能な限り特定し、個別に和英バイリンガルで記載した。現時点ではデータベースに2162件が記載されている。
新たに発見された阿部雲気流研究所時代の35ミリフィルムを8本デジタル化し、追加調査した。吊るし雲および笠雲を主に撮影したもので、富士山から雲を見下ろすかたちで撮影したものである。阿部正直が編集した短編映画『笠雲と吊し雲』(1938年頃)、『笠雲・吊し雲・積乱雲』(1938年頃)および『富士山五合五勺から見た山中又御殿場方面の雲』(1943年頃)が含まれており、新出資料の発見につながった。
調査対象のフィルムと阿部正直が使用していた機械類との統合的な研究も進めた。阿部正直が考案した「改良型全天映画カメラ」を分析し、彼が所有していたその原型(ヒルの全天写真機)と比較したうえで、阿部正直による雲の全天映画技術を研究した。
調査研究の成果を発表する場として、二つの発表を行った。フランス国立シネマテークで特別講演「雲の映画学-物理学者・気象学者阿部正直の仕事」を実施し、デジタル化した主要な阿部正直映画を上映するとともに、フィルム・アーカイブの調査結果をまとめた。一方、パリ高等師範学校では国際シンポジウム『現代の雲学』を開催し、共同研究者とともに歴史学、美術史学、技術史学、哲学、美学の各観点から近現代における雲の表象について研究発表を行い、議論した。その際に、阿部正直の全天映画を上映し、研究発表「システムとしての雲-日本におけるロビン・ヒルの全天写真機」を実施した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [学会発表] La cinematographie des nuages : le physicien et meteorologue japonais Masanao Abe(雲の映画学-物理学者・気象学者阿部正直の仕事)2019

    • 著者名/発表者名
      OSAWA Kei
    • 学会等名
      フランス国立シネマテーク特別講演
  • [学会発表] Nimbographies contemporaines(現代の雲学)2019

    • 著者名/発表者名
      Anouchka VASAK, Luce LEBART, OSAWA Kei, Marcelline DELBECQ, Elie DURING
    • 学会等名
      パリ高等師範学校主催特別シンポジウム(国際シンポジウム)
  • [学会・シンポジウム開催] パリ高等師範学校主催特別シンポジウム「Nimbographies contemporaines(現代の雲学)」(国際シンポジウム)2019

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公開日: 2021-01-27  

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