研究課題/領域番号 |
17K13381
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河内 聡子 東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (20771778)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 雑誌 / メディア / 文学 / 近代日本 |
研究実績の概要 |
本年度は、課題である「近代日本の地域社会における雑誌メディアの普及と受容に関する研究」について、前年度の成果を踏まえて、引き続き関係資料の調査・整理と、目録化・データベース化に向けた入力作業を行い、研究成果を発表するとともに、一部の目録データの完成と公開に至った。 まず、閲覧を目的として各機関に調査を行い、その成果の一部について目録データの打ち込みを行った。 研究状況としては、国立国会図書館において近代雑誌の刊行状況について、網羅的な把握を目的とした調査と資料の収集を行った。また、関係資料を所蔵する機関として如来寺(福島県いわき市)、仏法紹隆寺(長野県諏訪市)を訪問し、近代以降の仏教系雑誌について調査し、目録の作成に着手した。 その成果の一部として論文「如来寺蔵『雑誌抜粋』に見る近代メディアの受容と利用」(『リテラシー史研究』第13号)を発表し、また『雑誌抜粋』の目録データをWeb上に公開した。 また、研究成果の一端として、①日本文芸研究会・第71回研究発表大会(令和1年6月8日)において「越境する「ことば」たち―ベトナム社会科学院所蔵日本語資料の調査を通して考える―」、②キリスト教研究所一日研究会(令和1年7月27日)において「雑誌『家の光』に表れる賀川豊彦の宗教言説ー産業組合とキリスト教思想との親和性を基底として考えるー」、③学際シンポジウム・近代日本を生きた「人々」の日記に向き合い、未来へ継承する(令和1年9月28日)において「女性と家計簿の近代―モノとしての家計簿の役割にみる―」、④近代日本の日記文化と自己表象第23回研究会(令和1年12月14日)において「釣魚礼讃―「釣り」を書くことの文学的意識と、メディア的需要をめぐって―」を、それぞれ口頭にて発表し、広く社会に研究の内容を発信して知識の共有を図るとともに、意見交換の機会を得て新たな知見を獲得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、本年度は研究を完了させる予定となっており、一部については計画通りの成果を上げるに至った。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大のため、年度末に予定していた調査と成果報告の機会が損なわれたことにより、一部の研究についてやむを得ず完了をみるに至らない状況となった。 特に、論文の発表や目録データの公開を予定していたものについて、追加の調査と確認が必要であり、現状では計画通りの成果を達成することが難しい状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、当初の研究計画を完遂させるために、現状まで進めてきた研究に加えて、追加の調査と確認を行い、成果の取りまとめと発表および公開を目指す。 外出や出張等が規制される中では、各機関のデータベースやWebサービスを活用することで、自宅においてできる研究体制を整えていくよう努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、年度末に予定していた出張の中止が相次ぎ、科研費の支出計画に変更を来したため。 年度内に完了できなかった研究計画を遂行するため、必要な書籍・備品等を調達し、また調査および成果報告を目的とした出張を実施する。
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