本研究の目的は、蕉門の高弟として知られる嵐雪の発句集『玄峰集』を軸として、嵐雪および蕉風俳諧の受容について考察することにある。嵐雪は、近世期に芭蕉・其角についで高い評価を受けた俳人である。その嵐雪の発句集として寛延3年(1750)に出版された『玄峰集』は、明治初年まで100年以上にわたり版を重ねた。なぜ嵐雪および『玄峰集』は、これほど当時の人々の支持を集めたのか。それを考える土台として、本研究では『玄峰集』の成立の背景、諸本の関係、後世への影響について考察することで、嵐雪および蕉風俳諧受容の一端について明らかにすることを目指した。
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