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2018 年度 実施状況報告書

アフリカ系アメリカ文学におけるカリブ海文学・思想の受容と影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13405
研究機関東北大学

研究代表者

山内 玲  東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (60609874)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードカリブ海 / 人種 / 動物 / Wideman / Faulkner / Garcia Marquez
研究実績の概要

2018年5月にラスベガスで開催されたMELUSの研究大会で、"The Failed Staging of The Tempest and Problems of Afro-American Fatherhood in John Edgar Wideman's Philadelphia Fire"という題目で発表を行った。カリブ海地域の文学者の影響のもとで執筆を行ったアフリカ系アメリカ人作家という研究テーマのもと、エメ・セザールの戯曲などに代表される『テンペスト』の翻案を、いかにアメリカ合衆国のアフリカ系アメリカ人の問題を文学作品として換骨奪胎したかについて論じた。ジョン・エドガー・ワイドマンの場合、アフリカ系アメリカ人男性の困難という問題に加え、殺人を犯し投獄された自分の息子という個別の問題がカリバンの表象に重ねあわされることで、父と息子の関係に具現されるアフリカ系アメリカ人男性の苦難の形象と反復という問題が顕在化されるとともに、息子との関係において言葉にできない父子の断絶を潜在的な問題として暗示させていることを論じた。
カリブ海地域の文学の影響というテーマから派生した問題意識のもと、2018年10月にサウスイースタンミズーリ大学で開催されたFaulkner and Garcia Marquez conferenceで"Human Animality in Faulkner's The Hamlet and Marquez's One Hundred Years of Solitude"という題目で研究発表を行った。ガルシア=マルケスの作品はカリブ海沿岸地域の文化的伝統が群島地域のアフリカ系の文化とは異なる形でその想像力の苗床になっていることはよく知られているが、そうした要素も含まれる人間の動物性という見地から、フィークナーの『村』との比較を通じて考察を展開した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

派生的な内容とは言え、フォークナーとガルシア=マルケスの比較研究を行ったことで、当初予定していたアフリカ系アメリカ人の作家の作品の研究は遅れている。

今後の研究の推進方策

口頭での発表内容をペーパーにして公表する手順を取るのに予定よりも遅れているが、発表時での修正点も踏まえて原稿にしていく。

次年度使用額が生じた理由

2019年でまとめて研究書の購入に充てるために繰り越した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] The Failed Staging of The Tempest and Problems of Afro-American Fatherhood in John Edgar Wideman’s Philadelphia Fire2018

    • 著者名/発表者名
      山内 玲
    • 学会等名
      MELUS (Multi-Ethnic Literature of the United States)
    • 国際学会
  • [学会発表] Human Animality in Faulkner’s The Hamlet and Marquez’s One Hundred Years of Solitude2018

    • 著者名/発表者名
      山内 玲
    • 学会等名
      Faulkner and Garcia Marquez conference
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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