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2017 年度 実施状況報告書

19世紀末~20世紀初頭のイギリス小説における南海の〈島嶼文化〉と越境

研究課題

研究課題/領域番号 17K13411
研究機関高崎健康福祉大学

研究代表者

松田 幸子  高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 准教授 (10575103)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード南洋 / 島嶼文化 / ポスト・コロニアル研究
研究実績の概要

「19世紀末~20世紀初頭のイギリス小説における南海の〈島嶼文化〉と越境」について、平成29年度は、イギリスの大英図書館における資料収集・調査と、暫定的な研究報告を行った。
9月5日から11日にかけて、大英図書館(イギリス、ロンドン)において、19世紀末から20世紀初頭に刊行された雑誌における「南海」にまつわる記事を収集した。とりわけ、インドのラホールで出版されていたThe Civil and Military Gazetteに、ラドヤード・キプリングが投稿していた初期の短編集や、東南アジアに関する記事を調査した。
この調査によって、大英帝国図書館にのみ完全な形で収蔵されているThe Civil and Military Gazetteが、同時代のインドのみならず、東南アジアや中国も視野に入れた幅広い記事を掲載していることが明らかになった。とりわけ、東南アジアで起きた事件・事柄についての記事を、キプリングも作品中で参照しつつ用いている。
9月の調査の結果を、3月のキプリング協会第20回全国大会で発表した。「キプリングとCivil and Military Gazette:南洋と〈島嶼文化〉」と題し、南洋の登場する3作品を扱うとともに、それらに越境者としてヨーロッパ人や中国人が登場することをまとめた。
とりわけ"The Lang Men o’ Larut "に登場する「ラルート」という町について、本来The Civil and Military Gazetteで話題になっていたはずの中国人を登場させず、スコットランド人が語りの中心になっていることから、キプリングが同時代の東南アジアへの関心に注目しつつ、そこに物語的な操作を加えていることを論じた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大英帝国図書館での資料収集が順調であり、The Civil and Military Gazetteを集中的に調査できている。また、それらを年度中に研究報告することができた。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、主にキプリングのThe Civil and Military Gazetteへの投稿作品を中心に扱ったが、今年度は、同時代の他の雑誌における南洋表象に注目し、キプリングの越境とは異なった形で、島嶼文化が描かれていることを確認する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] キプリングとCivil and Military Gazette2017

    • 著者名/発表者名
      松田幸子
    • 学会等名
      キプリング協会第20回全国大会

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公開日: 2018-12-17  

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