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2018 年度 実施状況報告書

19世紀末~20世紀初頭のイギリス小説における南海の〈島嶼文化〉と越境

研究課題

研究課題/領域番号 17K13411
研究機関高崎健康福祉大学

研究代表者

松田 幸子  高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 准教授 (10575103)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードポスト・コロニアリズム / 島嶼文化 / 19世紀末の東南アジア
研究実績の概要

東南アジアの〈島嶼文化〉における越境のありようが、どのように19世紀のイギリス小説でえがかれているのかという観点から、平成30年度はRadyard Kiplingの小説の分析と、Kiplingが参照したであろう同時代の植民地インドにおける新聞記事を調査した。とりわけ、東南アジアに言及したKiplingの短編小説"A Smoke of Manila"と"The Lang Man o'Larut"を読解することによって、19世紀末のイギリスにおいて、東南アジアの島々が、イギリスやスペインといったヨーロッパの宗主国のみならず、インド、中国、アフリカ、南アメリカといった多様な文化の交差する場として描かれていることを確認した。この研究を、平成30年度は、オベロン会9月例会において「キプリングの東南アジア:"The Lang Men o' Larut"(1889)を読む」で発表を行った。
また、このような越境性を同時代のイギリス小説が東南アジアの島嶼に見出していることを踏まえて、平成31年2月27日~3月6日にかけて、イギリスのBritish Libraryにおいて、資料収集・調査を行った。特に、Kiplingが編集に関わり、また参照したと思われるインドで発行されていた英語による新聞であるCivil and Military Gazetteの東南アジアに関する記事を調査することで、19世紀末、イギリスの植民地あるいは交易の範囲内で、広く東南アジアに関わる情報が流通していたことを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成31年2月末から3月初頭にBritish Libraryで行った調査において、インドのラホールで発行されていたCivil and Military Gazetteなどの新聞雑誌を精査したが、東南アジアについて、イギリスがどのように語っているのかを明らかにするために、同時代のマレー半島やシンガポールで発行されていた英語による新聞雑誌をより詳細に読み解くことが重要だと考えたため。

今後の研究の推進方策

東南アジアについて、イギリスがどのように語っているのかを明らかにするために、同時代のマレー半島やシンガポールで発行されていた英語による新聞雑誌を調査する。とりわけ、19世紀前半に起きたマレー半島の直轄化等の問題を、その後のイギリス人著作家が、どのように言説化していったのかを、シンガポールのNational Libraryに残っている同時代の新聞雑誌記事を確認することで明らかにしたい。

次年度使用額が生じた理由

次年度のシンガポール国立図書館での調査費用に充てるため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] キプリングの東南アジア:"The Lang Men o' Larut"(1889)を読む2018

    • 著者名/発表者名
      松田幸子
    • 学会等名
      オベロン会9月例会

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公開日: 2019-12-27  

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