研究課題/領域番号 |
17K13412
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
西 亮太 中央大学, 法学部, 准教授 (60733235)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ポストコロニアルスタディーズ / エコ批評 |
研究実績の概要 |
労働論の観点については、森崎和江に関するNHKでの学術アーカイヴ調査を行い、その成果を踏まえて二回にわたって学術雑誌で論考を発表することができた。また、当初は予定していなかったが、サークル村関係者と研究者らとのネットワークを構築することができ、森崎和江研究会を立ち上げることができた。2018年11月には第一回研究会を開催した。すでに日本国内のみならず台湾や韓国といった海外とのつながりもできつつある。 エコ批評とレイモンド・ウィリアムズをめぐる論点については、概ね予定通り2018年度末にロンドンに滞在しLondon School of EconomicsのアーカイヴでSERAの初期ニュースレターを閲覧することができた。加えて、70年代末から80年代後半までの英国におけるソーシャリズム運動とエコロジー(環境)運動の動向についても、多くのフライヤーやリーフレット、ニュースレターを閲覧することで立体的に把握する端緒を得ることができた。とりわけ、いわゆる広い意味での環境主義に関わるソーシャリストのアクティヴィズムと当時のフェミニズムが運動の現場において、一定の緊張関係を持ちつつ、議論を深めようと模索していたことが確認できたのは想定はしていなかったものの、大きな成果であった。今後のポストコロニアル批評とエコ批評の交渉を考える上で、社会主義フェミニズムの動きを把握しておく必要性を認識することができた。 ポストコロニアル批評の歴史的な整理についてはまだはっきりとした成果を提示する段階にはない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、昨年行えなかったアーカイヴ調査をすることができたことで後れを一定程度取り戻すことができたのだが、(好ましいことではあるとはいえ)予想外に研究ネットワークを拡張・充実化することができたので、その分、調査に割けるリソースが目減りしてしまったことで、若干の遅れが見られる。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は7月に第二回森崎和江研究会を熊本県天草の苓北町で開催する。これに加えてもう一回の開催を予定しており、こちらの研究については順調に進めていけるとの見通しが立っている。また、関連する炭鉱の文化に関する研究については、9月に英国ウェールズから研究者を招き、福岡県および東京で国際シンポジウム(Diversifying the Cultures of Coal)を開催することが決定している。 本研究の中心的課題であるポストコロニアル批評とエコ批評の交渉については、8月のエコクリティシズム学会(広島)での口頭発表が決定しており、発表原稿を推敲の上、同学会機関誌に投稿予定である。加えて、11月にロンドンで行われるHistorical Materialismの年次大会に参加予定である(まだパネル報告の応募結果は通知されていない)。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は予定していた期間よりも短いアーカイヴ調査しかできなかった。加えて、行内業務が多忙のため出張を伴う研究・調査を思ったように行えなかった。これらのことから、11万円程度の次年度使用額が発生した。
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