研究課題/領域番号 |
17K13412
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
西 亮太 中央大学, 法学部, 准教授 (60733235)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ポストコロニアル・エコクリティシズム / エコ批評 / 森崎和江 |
研究実績の概要 |
2019年度は、まず前年度の持ち越しであったポストコロニアリズムと環境主義批評(エコ批評)の交差あるいは交渉についてこれまでの研究を一定程度まとめて「エコクリティシズム学会」広島大会において口頭発表を行うことができた。また、これについては文字化し、査読が通り、掲載紙(『エコクリティシズム・レビュー』)の発刊を待つ状態になっている。 次に、日本におけるポストコロニアル批評関連と呼びうる思想や労働運動、左派思想、そしてフェミニズム思想の結節点となっている森崎和江関連の研究については、2019年7月に第二回森崎和江研究会を行い、研究者ネットワーク作りを進めるとともに森崎和江研究を深めることができた。こちらには日本各地はもとより台湾、韓国からの研究者の参加があった。また、2020年2月に韓国から研究者を迎えて第三回森崎和江研究会を東京で開催した。北九州での大学外での研究グループとも研究会を重ね、筑豊旧産炭地域での地域史研究との研究協力が一定程度行える形になってきた。 また、旧産炭地域における労働運動や左派思想および、環境主義思想を比較検討するという観点から、2019年9月にはThe Cultures of Coalという国際シンポジウムに参加し、英国ウェールズの研究者と研究交流を行うことができた。 さらに、2019年11月には英国ロンドンで開催されたHistorical Materialism学会に参加し研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予定していた成果報告に関しては「研究実績の概要」に示した通りそのほとんどを行うことができたが、COVID-19対策によって国際渡航が困難となりアーカイヴ調査ができず、また学内業務の想定外の多忙化により、春季休業中の研究活動が著しく困難になったため、調査・研究が著しく遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
森崎和江研究に関しては論文執筆依頼をいただいており、20年度中にこれまでの研究を概観する論文を発刊する予定である。また、森崎和江研究を2020年11月に開催予定であるので、予定通り開催できればさらに研究を進めることができる。日本の戦後の環境主義に関しては11月にバリで開催予定の日本文学研究フォーラムでの口頭発表が決定しているので、予定通りの開催となればこちらでまとめることができる。また、レイモンド・ウィリアムズ研究としては世界文学学会からの執筆依頼があるので、そちらも予定通り進めば20年度内の発刊となる。 ポストコロニアル関連の研究が遅れているのでこちらに関してはG.スピヴァクおよびM.デヴィのテクスト分析を進展させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19対策のため出張が困難となったため。
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