研究課題/領域番号 |
17K13422
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西井 奨 大阪大学, 文学研究科, 講師 (20722755)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | オウィディウス / ホラティウス / ラテン文学 / 文芸学 |
研究実績の概要 |
本年度は、ホラティウス『詩論』研究と並行して、特にオウィディウス『名高き女たちの手紙』および『変身物語』の研究を進めた。研究にあたっては、併せてアリストテレス『詩学』とカッリマコス『賛歌』についても原典からの調査を進め、オウィディウスの創作の特質を明らかににするよう努めた。オウィディウスが特に好んで描いているのではないかと考えられる物語のモチーフ・構成について、『名高き女たちの手紙』および『変身物語』に共通する形で一定の知見を得ることができた。 これらの研究作業を踏まえて、名古屋大学西洋古典研究会例会(2017年12月16日)にて口頭発表「HeroidesからMetamorphosesへ ―オウィディウス『変身物語』第2巻676-835の物語構造」をし、また、京都大学西洋古典研究会例会(2017年12月24日)にて口頭発表「オウィディウス『変身物語』2. 676-832における懲罰の構造」をした。これらの発表において、オウィディウス『変身物語』におけるバットスの物語とアグラウロスの物語は、もともとの伝承としては、ただメルクリウスに対する欺き・不敬への罰として石化の罰がなされたのであり、バットスやアグラウロスの言葉そのものに、「後に自分の石化をもたらすような要素」はなかったと考えられる。そこでオウィディウスはこれらの物語に新たに、「自身が発した言葉が仇となって災いが自身に降りかかってくる」という要素を加え、「石化の罰を受けるきっかけが罰を受ける本人の言葉そのものにある」ようにした。これは物語に必然性を与える追加要素である、ということを示した。 また古代弁論術研究の点から重要な研究書を読み進め「書評:吉田俊一郎『ワレリウス・マクシムス『著名言行録』の修辞学的側面の研究』東海大学出版部、2017」を日本西洋古典学会編『西洋古典学研究』第48号に寄稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大量の文献資料をまだ十分に読みこなせていないため。
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今後の研究の推進方策 |
研究書・論文・翻訳の出版を具体的に意識して研究作業を進めていく。
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