研究課題/領域番号 |
17K13424
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
土屋 京子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (60759348)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ドイツ初期啓蒙主義時代 / ヨハン・ザロモ・ゼムラー / 聖書解釈学 / ドイツロマン主義 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、ドイツ初期啓蒙主義時代にハレ大学の神学部教授として活動したヨハン・ザロモ・ゼムラーの初期著作を元にして、当時の聖書解釈学を分析し、後のドイツロマン主義を中心としてどのように受容されたのか、その思想的系譜を追うものである。ゼムラーは日本のみならず、ドイツ・ハレにおいても近年ではほとんど研究されておらず、批判校訂版はおろか、研究書もほとんど出されていない。そのため本研究には主として在外研究における活動において、彼の著作ならびに関連研究を収集し、それをまず整理することを重点的に行う必要がある。研究計画では、ハレならびにベルリン国立図書館を中心とした資料調査と、その資料分析の二本柱を立てており、今年度も在外研究にて資料を収集する予定であった。しかし、本年度はコロナ禍のためにドイツにおける在外研究が全く行うことができなかった。そのため、研究のほとんどの時間を主として資料の整理と読み解き、分析を行うことに費やすこととなった。またコロナ禍による数々の混乱が一時落ち着きを見せた夏以降より、リモートで開催された研究会ならびに学会で、同時代を専門としている研究者と情報交換を行った。しかし、当初予定していたよりも本務校での仕事の比重がかなり大きくなったため、さらには「現在までの進捗状況」にも書くように、今年度後半以降、妊娠にともなう体調不良により、研究に費やす時間を作ることができず、口頭発表等の具体的な成果をあげることができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記したとおり、今年度はコロナ禍のために、資料調査や情報交換のためのドイツ滞在ができず、さらには研究会や学会の開催が限られたものとなった。さらには8月以降、妊娠にともなう体調不良による入院などを経て産前休暇に入ったために、予定していた計画の2割も実行することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は産前産後休暇ならびに育児休業を取得し、研究を中断するために、当研究課題の期間延長を申し出る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はコロナ禍により、在外研究でかかる費用ならびに国内出張等における旅費の使用がなかったために、主に旅費として計上していた予算を使用することがなかった。次年度では状況を見つつ、ドイツ現地での資料調査ならびに収集を継続するように試みる。それと同時に、日本から資料の閲覧や取り寄せができるかその方策を探りつつ、日本国内からでも可能なやり方で資料の収集、整理、分析を行う。そのために、高性能なラップトップパソコンの購入は必須である。
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