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2020 年度 実績報告書

マルセル・プルーストと美術史学

研究課題

研究課題/領域番号 17K13426
研究機関静岡県立大学

研究代表者

浅間 哲平  静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (00735475)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードプルースト / 美術史 / コレクター / 画廊 / 蒐集 / 美術批評 / 小説 / 美学
研究実績の概要

過去三年間に、プルーストへの美術史家の専門的著作からの影響、プルーストが訪れた画廊や個人のコレクションの状況、プルーストの美術批評家との交流を調査してきた。この三点を踏まえ、『失われた時を求めて』を書いた作家が生きた時代に生成しつつあった美術史学のなかで、プルーストがどのように美術作品を受容したのかを明らかにするようつとめてきた。
その中でも特にプルーストと交流のあった特定の人物たち(ジャン=ルイ・ヴォードワイエ、エミール・マール、バーナード・ベレンソン、デュラン=リュエル、ジョルジュ・プティ、シャルル・エフルッシ、ロベール・ド・ラ・シズランヌ、ジャック=エミール・ブランシュ)に注目することで、この作家の残した小説の中で実現されている芸術観を総体的に浮かび上がらせた。
またこれらの調査の過程で、プルーストと関係する作家としてモーリス・ジュヌヴォワが浮かびあがってきた。ジュヌヴォワは奇しくも2020年にパンテオンに祀られることになった作家で、その主著『14年の人びと』は第一次世界大戦の壮絶な戦いをリアリスムの手法で描いた大作である。プルーストも『失われた時を求めて』の最終巻『見出された時』で第一次世界大戦を題材としたが、その手法は大きく異なっていた。この二人の作家の比較から、プルーストのリアリスム批判の意義について考察する機会となった。
さらに研究を進めるなかでヴェルサイユがプルーストにとってどのような場であったのか、関心を持つようになった。1890年代にプルーストは頻繁にこの地を訪れていたことがわかっているが、そのときの経験が『失われた時を求めて』にも影響しているのではないかと考え、ヴェルサイユとプルーストという主題にも取り組んだ。
これらの考究は、必ずしも「美術史」に関わるものではないかもしれないが、本研究から思いがけず生まれた成果としてここに記しておく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] パリを裏側から見る -ボードレール、ワイルド、ゾラの視点から-2021

    • 著者名/発表者名
      浅間哲平
    • 雑誌名

      国際関係・比較文化研究

      巻: 19-2 ページ: 19-34

  • [雑誌論文] モーリス・ジュヌヴォワを知っていますか?2020

    • 著者名/発表者名
      浅間哲平
    • 雑誌名

      国際関係・比較文化研究

      巻: 19-1 ページ: 91-104

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公開日: 2021-12-27  

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