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2019 年度 研究成果報告書

亡命期デーブリーンの自然哲学

研究課題

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研究課題/領域番号 17K13428
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 ヨーロッパ文学
研究機関成城大学

研究代表者

時田 郁子  成城大学, 文芸学部, 准教授 (60757657)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード自然哲学 / 亡命文学 / 神秘思想
研究成果の概要

デーブリーンの亡命期(1933-1946)に重点を置き、長編小説『アマゾン』と『1918年11月』を主たる研究対象にして、彼の自然哲学の展開を考察した。彼が自然哲学の着想を得たきっかけは、伝統的ユダヤ人の敬虔さを見聞したことにあり、彼の自然哲学は宗教に深く結びつく。亡命期に彼は無神論の立場からユダヤ教に近づき、カトリックの洗礼を受けたが、そうした伝記的事実は作品に直接反映してはいない。彼の自然哲学は『アマゾナン』で近代の宇宙像を、『1918年11月』で中世の神秘主義と20世紀の生活改善運動の世界像を組み込んで発展したと判明した。

自由記述の分野

ドイツ語ドイツ文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

20世紀前半のドイツ語圏では神秘思想が興隆したが、その理由は、ユダヤ人の台頭に伴うユダヤ神秘思想の普及と従来考えられてきた。本研究は、自らユダヤ人であることに疑問を持ち独自の自然哲学を展開したデーブリーンの思想的土台を探ることにより、彼の作品において近代の宇宙像、中世の神秘主義、20世紀初頭の生活改善運動に見られる自然賛美が自然哲学に組み込まれていることを突き止めた。通常この三つは個別に考察されてきたが、本研究はこれらを結びつけてヨーロッパの自然観を考える意義を提起するものである。

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公開日: 2021-02-19  

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