書儀は、手紙を書く際の参考に供するために編まれた模範文例集であり、従来中国儒教社会における伝統的な礼を反映するものとしてとらえられてきた。本課題においては、現存する各書儀が特定の時代・地域の文化・習俗を基盤として、それぞれに古代礼制を解釈し現実の礼秩序として示す点に着目し、時間・空間を超えて普及した書儀が、消化・吸収され、変容していく過程を追った。また、利用者が日常生活の中でどのように応用・実践していたのかについて考察を行った。各書儀が担った役割や歴史的な展開を明らかにし、その史料としての位置づけを示した。
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