研究課題/領域番号 |
17K13435
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
荘 千慧 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (50711123)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 比較文学 / 比較文化 / 神智学運動 / Pan-Aisanism |
研究実績の概要 |
研究所属機関の異動により、研究状況の進捗はやや遅れたが、最終年度を向けて、比較文学会世界大会の発表も採択されており、神智学本部(インド・マドラス省)調査も完了し、順調にペースを取り戻している。
近代の「東洋」像は、コロニアリズムとポストコロニアリズムの力学により生まれた。本研究は神智学とバハーイーが如何に援用・流用され、文化・文学面において複雑な「東洋」像が生成されたことを提示し、インターナショナリズム的性質を持つ神智学及び類似性を持つバハーイー教のネットワークが如何に文化的イディオロギーの再編に働き、またナショナリズムに流用されたことの解明を目標としている。文学・文化・思想の面から横断的に、(1)文献調査、(2)資料分析・整理、(3)成果発信の三段階の作業を行っている。
現段階の研究成果の一つは、論集『神智学と帝国』(青弓社)の出版になる。同論集には研究代表者が執筆した神智学運動の年表も収録される。そのほか、アメリカで出版される論集Theosophy Across Boundaries(SUNY Press)も二校の段階に入った。研究発表にFar Eastern Theosophical Human Network during 1910s-1920s : Internationalism or Pan-Asianism?(2nd Diversity Symposium for Women Scientists in Kyushu University. 18 March 2019)などがある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度では研究機関を2回異動した関係で、調査・分析の進行状況は予定より遅れた。ただし、調査先との連携は順調に進んでおり、落ち着いた現在はより精力的に研究を取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度ではこれまで収集してきた資料の整理・分析に力を入れるほか、海外(メルボルン大学)講師を招聘して国内外の神智学研究者とシンポジウムを開催する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に科研執行先を2回移転した関係で、予定通りに執行できなかった。2019年度では次年度使用額と合わせて、神智学本部の資料調査・国際学会(海外スピーカー招聘)の開催などを予定している。
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